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根拠のない自信

たまたまFacebookでシェアされていたブログの記事でこのようなものがありました。


エリートの強みは「根拠のない自信」 : 人類応援ブログ

記事を要約すると、

所謂エリートは「根拠のない自信」を持ち続けた結果、そのポジティブシンキングが次々に成功をもたらし、自信がない人は挑戦することもなければ、ちょっとした挫折で心が折れてしまうので社会からドロップアウトしやすい。

というところでしょうか。

僕はこの筆者の意見には半分は賛同します。というのも成功者になれるかなれないかというのは、確実に自信の有無が関係してくるからです。僕は某教育系NPOでボランティアスタッフ及び事務局インターンをしたり、塾講師のアルバイトや施設での学習ボランティアをしたりして様々な中高生と関わってきましたが、偏差値下位校や低所得層の生徒と話す中でいつも感じるのは、生まれ育った環境や社会がいかに本人の努力に対するモチベーションに影響するかということです。

親の収入や学歴、教育に対する意識、はたまたスクールカーストにおける自分の位置などといった「スペック」が本人の努力に対するモチベーションに影響し、その結果成長するにつれてますます成功者とそうでない人との格差が拡大することはやはり少なくないでしょう。

然しながら、ここで一つ注意したいのが、成功者の持つ自信が本当に「根拠のない自信」なのかということです。確かに、裕福な家庭に生まれ、感情調節がうまくいっている家族に囲まれ、高いレベルの教育を受けてきたような人々がそうでない人々に比べて自信を持って生きていることが多いのは事実でしょう。とは言え、その自信はいずれも「自分はお金の心配をする必要がないから色々挑戦してみよう」とか「自分は難関の●●高校に通っているのだからこれくらいの努力をすれば東大に入れるだろう」といった「根拠のある自信」ではないでしょうか。勿論、こうした根拠のある自信は子どもの頃から努力を積み重ねていけるだけの環境が整っており、その結果成功経験を重ねてこられたからこそ生まれるものだとは思いますが。

とはいえ、「根拠のない自信」を持って生きている人も一定の成功をすることは可能かもしれません。はったりをかましておけば、バカとお人よしは騙せますからね。でも、多くの場合、それは長続きしないでしょう。「根拠のない自信」を持っていて途中まである程度成功したものの、最終的に足元をすくわれて破滅に至った例としては、小保方晴子氏などが挙げられるでしょう。彼女はAO入試早稲田大学理工学部に入学し、理研に研究員として就職するという「エリート街道」を歩んできたわけですが、恐らく彼女には努力量に見合わぬ成功経験が何度かあって「根拠のない自信」が増幅した結果、STAP騒動を起こしてしまったのではないかと思います。詐欺まがいの商法で急成長した会社が必ず倒産するのも「根拠のない自信」による破滅の典型例と言えるでしょう。

というわけで、成功に必要な条件は「根拠のある自信」であって、筆者の言う「根拠のない自信」ではないというのがこの記事に対する僕の反論です。ちなみに僕自身も「根拠のない自信」を持ち続けた結果、大失敗をした経験がありますがそれについてはまた後ほど書こうと思います。